この本の印税は緑の回廊プロジェクトに全額寄付されます。
2011/11/03: 第65回毎日出版文化賞(自然科学部門)を受賞しました。
2011/04/29: 第11回科学ジャーナリスト賞を受賞しました。
2011/11/03: 第65回毎日出版文化賞(自然科学部門)を受賞しました。
2011/04/29: 第11回科学ジャーナリスト賞を受賞しました。
絶望するのも,希望をもつのも,人間だから
— 本の帯より
目次
- プロローグ 心,ことば,きずな
- 第一章 心の歴史学
- 心は化石に残らない
- 人類はいつも複数いた
- 近いものを比べる,似たものを比べる
- チンパンジーはヒト科
- ゲノムの違いは約一・二パーセント
- 第二章 生活史 人間は共に育てる
- 野生チンパンジーのいるところ
- チンパンジーの暮らし
- 文化による違い
- 社会
- 生活史
- お祖母さんという存在
- 子育て
- チンパンジーの父親は「心の杖」
- 共育 ― 共に育てる人間
- 第三章 親子 人間は微笑み,見つめ合う
- 親子関係の進化
- 親にしがみつく子,子を抱く親
- 互いに見つめ合う
- 仰向けに寝かせられ,もがくチンパンジーの子ども
- 人間の赤ちゃんがプニョプニョの理由
- 仰向けの姿勢が人間を進化させた
- 第四章 社会性 人間は役割分担する
- 見つめ合い,新生児微笑,新生児模倣
- 同じ行動をする
- 真似と見立て遊び
- あくびの伝染
- 自己認識
- 模倣から他者の気持ちの理解へ
- 手を差し伸べる
- あざむく
- 社会的知性発達の四段階
- 第五章 道具認識の深さ
- さまざまな道具
- 野外実験によって道具使用を研究する
- 利き手
- 道具使用の発達
- 行為の文法
- 道具使用とシンボル使用の同型性
- 再帰的な構造をもつ認識
- 他者の心を理解する心
- 一例反証による科学研究
- 霊長類考古学
- 第六章 教育と学習人間は教え,認める
- 類人猿の言語習得研究
- 哲学的な問いを科学する
- ネズミの分断脳の研究
- チンパンジーが見ている世界を人間と同じ方法で研究する
- 「同じ環境」ってなんだろう
- 参与観察によって認知発達を研究する
- 霊長類研究所のチンパンジーたち
- 積み木積みの発達
- 教えない教育,見習う学習
- 教え,認める教育
- チンパンジーと自閉症
- 脳の発達
- 学習の臨界期
- 文化の伝播
- 第七章 ことばと記憶トレードオフ
- 色のカテゴリー
- 色彩名の習得とカテゴリー分け
- 色彩基本語
- 図形文字システム
- 図形文字をつづる
- 等価性が成り立っていない
- ストループ効果で等価性を確かめる
- 記憶
- トレードオフ仮説
- 第八章 想像するちから絶望するのも,希望をもつのも,人間だから
- チンパンジーの描く絵,人間の描く絵
- チンパンジーは絶望しない
- 想像する時間と空間の広がり
- 長めのエピローグ進化の隣人に寄り添って
- 飼育下で
- 野生の生息地で
- 緑の回廊プロジェクト
- あとがき