ホーム 京都大学野生動物研究センター熊本サンクチュアリ
京都大学霊長類研究所の姉妹機関である京都大学野生動物研究センター・熊本サンクチュアリについて御紹介いたします。

熊本サンクチュアリ全景航空写真

有明海をはさんで島原の雲仙普賢岳と対峙する熊本県宇土半島に位置する

熊本サンクチュアリ全景航空写真

チンパンジー57人が暮らす

チンパンジー

WISH大型ケージ熊本1号機(左)と普賢岳(右)

日本学術振興会最先端研究基盤事業「心の先端研究のための連携拠点(WISH)構築」により2011年度完成

WISH大型ケージ熊本1号機

タワーとチンパンジー

タワーとチンパンジー
熊本サンクチュアリとは  京都大学霊長類研究所の姉妹機関である京都大学野生動物研究センター・熊本サンクチュアリのご紹介
「サンクチュアリ(Sanctuary)」とは、「聖域、保護施設」という意味である。チンパンジーの安寧な暮らしと、生活の質(Quality of Life, QOL)の向上を主目的のひとつとして掲げ、2011年8月1日に京都大学の施設として発足した。チンパンジーが絶滅危惧種であることに鑑み、飼育チンパンジーの福祉をすすめるとともに、野生チンパンジーの保全を図ることをめざした施設である。霊長類研究所が母体となって2008年に京都大学に生まれた野生動物研究センター(WRC,京都)の付属施設と位置づけられており、京都大学の姉妹部局である霊長類研究所と野生動物研究センターが協力して熊本サンクチュアリを運営している。現在、57個体のチンパンジーがいる。もともとは民間の医学研究施設だったものが京都大学に移管された。

京都大学野生動物研究センターは、その憲章に定めるとおり、野生動物に関する教育研究をおこない、地球社会の調和ある共存に貢献することを目的とする。その付属施設としての熊本サンクチュアリは、研究教育の実践のための最重要の中核的教育研究拠点として位置付けられている。絶滅の危惧される野生動物を対象とした基礎研究を通じて、その自然の生息地でのくらしを守り、飼育下での健康と長寿をはかるとともに、人間の本性についての理解を深める研究をおこなう。

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WISH大型ケージ チンパンジー研究の新時代
日本学術振興会最先端研究基盤事業「心の先端研究のための連携拠点(WISH)構築」による比較認知科学実験用大型ケージ
チンパンジーのためのサンクチュアリである熊本サンクチュアリは、チンパンジー研究の世界的メッカである霊長類研究所と姉妹機関である利点を活かして、日々のチンパンジーの生活の安寧をはかりつつ、チンパンジーの研究を通して、人間の本性を探っている。

つまり、福祉に配慮した飼育研究施設が現在進行中であり、チンパンジーの比較認知科学と行動学的研究により、その認知機能の解明を通じて、人間の本性の進化的基盤を探ることを目的としている。

なお、そうした研究を支えるインフラ基盤の作成も進んでいる。日本学術振興会最先端研究基盤事業「心の先端研究のための連携拠点(WISH)構築」である。WISH事業では、チンパンジーの比較認知科学実験を推進するための比較認知科学実験用大型ケージ、WISH犬山1号機、2号機、熊本1号機、2号機が導入された。

比較認知科学実験用大型ケージは、チンパンジーの日々の暮らしの場であり、そして巨大なテストケージである。この空間の中で、複数のチンパンジーたちが日常を過ごし、上下左右に広く動き回ることができる。それがそのまま研究の場になる。コンピュータで制御するタッチパネルを備えるなど、研究するための工夫が施されている。

新機軸は大きく2点に集約できる。
第1は、日常を過ごす空間なので、1日24時間すべてが研究の時間になる。またチンパンジーとしても自由が基本である。好きなところで好きな仲間といつでも採食できる。日々の暮らしの中から認知研究を構想することで日常生活に根差した行動を研究できる。
第2は、集団全体が研究の対象であるということである。複数のチンパンジーの相互交渉を見ることを通して、彼らの社会と社会的知性の本質を解明したい。

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総延長150mの連結通路森の中を通り、チンパンジーが飼育棟の間を行き来する

彼らの幸せを考えるのは、飼育している人間の責務です。

ここにいるチンパンジーは今、全部で50人(※1)。三つの飼育棟に分かれて暮らしています。一番上の棟と一番下の棟をつなぐ長さ150mの連絡通路がもうすぐ完成し(※2)、森の中を通り地上を移動して、飼育棟の間を行き来できるようになります。付き添い付きですが...

チンパンジーの社会は離合集散型です。基本的には流動的な社会ですが、全体としてはまとまっている。限られた空間、個体数しかない動物園などではそういうコミュニティーを保証するのが難しいのですが、新しい連絡路は、彼らが精神的にも肉体的にも社会的にも健康な状態でいることにつながります。彼らの幸せを考えるのは、飼育している人間の責務です。

『幸せな環境提供する責任』より引用
※1: 2013年現在は57人
※2: 取材当時。連絡通路は2011年度完成

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熊本サンクチュアリギャラリー熊本サンクチュアリでのチンパンジー57人の暮らしぶりをご紹介


 
熊本サンクチュアリベイビー動物園との交流により、熊本サンクチュアリ由来のチンパンジーから誕生した赤ちゃんたちのご紹介

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熊本サンクチュアリに、比較認知科学実験用大型ケージが完成した。チンパンジーの日々の暮らしの場であり、そして巨大なテストケージである。既設の建物の屋上に、広さ...
※2011年8月1日「チンパンジー・サンクチュアリ・宇土」は「京都大学野生動物研究センター熊本サンクチュアリ」として生まれ変わりました。