PLoS ONE, 5(2): e9131, doi: 10.1371/journal.pone.0009131

チンパンジーによる人の視線方向の弁別

Visual search for human gaze direction by a chimpanzee (Pan troglodytes)

Masaki Tomonaga, Tomoko Imura

アブストラクト

Humans detect faces with direct gazes among those with averted gazes more efficiently than they detect faces with averted gazes among those with direct gazes. We examined whether this “stare-in-the-crowd" effect occurs in chimpanzees (Pan troglodytes), whose eye morphology differs from that of humans (i.e., low-contrast eyes, dark sclera).


人では自分の方に向けられた視線の方がそうでない視線よりも見つけやすいことが知られている。このような効果は"Stare in the crowd"(誰かが私を見つめてる)効果と呼ばれている。このような現象が人とは異なる目の形態(強膜が白くない)を持つチンパンジーでも見られるのだろうか。人の顔写真を用いた視覚探索課題で検討した。その結果、1個体ではあるがチンパンジーにおいても自分の方に向けられた視線の方が検出が容易であることが明らかとなった。ただし、倒立提示などでもこの効果は維持されるという特徴が認められた。また、チンパンジーによる人の視線の弁別は人による弁別と同様の「充血錯視効果」や「ボガート錯視効果」などの虹彩と強膜の明るさの対比および極性が手がかりとなっていることが示唆されたが、顔向きによって定義される視線弁別には般化しなかったことから、「目が合っている-合っていない」というカテゴリカルな弁別がなされていたわけではないことが示唆された。本研究は科学研究費補助金、21世紀COEプログラムおよびグローバルCOEプログラムのサポートを受けて行われた。


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PLoS ONE, 5(2): e9131, doi: 10.1371/journal.pone.0009131