チンパンジー・サラが描いた絵
チンパンジー・サラが描いた絵

チンパンジー・サラ 肖像

チンパンジー・サラが描いた絵がアイの絵のお礼として届きました。

サラは、 デイビッド・プレマック博士の被験者として、 プラスチックの彩片(チップ)をつかった人工言語を覚えた 1ことで有名になったチンパンジーです。

手話サインと違い、彩片という「物」を利用したことで、被験者のチンパンジーが何を選んだのか、同様にチンパンジーに何を問いたいのかを、明確にすることができました。 この、チンパンジーのもつ言語的なの能力を客観的に検証することができるようになったという点が、特筆すべきところだったといえます。 また、サラの研究が基礎となって、「心の理論 2」というプレマック博士が名付けた、相手の心を理解する心の発達についての研究分野が誕生したという点でも、サラは 偉大な功績をのこしたといえるでしょう。

デイヴィッド・プレマック、アン・プレマック夫妻がペンシルヴァニア大学のチンパンジーの研究施設を1987年に閉じたのちは、サラはアメリカのオハイオ州立大学にうつり、 チンパンジーのカーミットやダレルの研究で有名なサリー・ボイセン博士がいる研究施設(OSU Chimpanzee Center)で仲間と一緒にくらしていました。 オハイオ州立大学がChimpanzee Centerを閉じた2006年からは、ルジエアナ州のChimp Havenというサンクチュアリでくらしています。

1. Premack, D. (1971) Language in chimpanzee? Science, 172(3985), 808-822. doi: 10.1126/science.172.3985.808

2. Premack, D., and Woodruff, G. (1978) Does the chimpanzee have a theory of mind? Behavioral and Brain Sciences 4 (4):515-629 doi: 10.1017/S0140525X00076512


サリー・ボイセン博士に贈られた絵
アイが描いたこの絵が、オハイオ州立大学のサリー・ボイセン博士に贈られました。
チンパンジー・サラが描いた絵を見るジェーン・グドール博士
写真:チンパンジー・サラが描いた作品を鑑賞するジェーン・グドール博士。
アーツ・アンド・エイプス ─大型類人猿から芸術を考える─

チンパンジー・サラが描いた絵は、 SAGA8シンポジウムで展示されています。  
 
SAGA(アフリカ・アジアに生きる大型類人猿を支援する集い; Support for African/Asian Great Apesの略称)は、 チンパンジー(およびボノボ)、ゴリラ、オランウータンの3属4種に分類される大型類人猿の現状と将来について、研究・飼育・自然保護という立場から考えるために集まった非営利団体で、 毎年1回シンポジウムを開催しています。

追記
作品展「アーツ・アンド・エイプス ─大型類人猿から芸術を考える─」は好評のうちに終了いたしました。ご来場いただきましてありがとうございました。