2020.03.16

三浦・友永・原田・山田・竹澤(編)による心理学評論62巻第3号(特集号)『心理学研究の新しいかたち─ CHANGE we can believe in』が刊行されました。

これまで『心理学評論』では,最近の心理学において大きな問題となってきた諸問題について積極的に取り上げ,国内の学界における議論をリードしてきた。つまり,59巻1 号『心理学の再現可能性:我々はどこから来たのか 我々は何者か我々はどこへ行くのか』と61 巻1 号『統計革命:Make Statistics Great Again』である。本特集号はその流れを汲む, いわば3 部作の完結編にあたる。

まず『再現可能性』特集号では,心理学研究が抱える再現可能性の諸問題について議論し,その解決方法として世界の研究者たちが精力的に進めている諸方策について紹介した。再現可能性の低さを助長しているのは,p ハッキングなど統計的推論の(無)意識的操作をはじめとする「問題のある研究上の諸行為(QRPs)」である。そして,これに対する1 つの答となりうるのがベイズ統計学であり,その可能性と限界について論じ,かつその界隈で起こりつつある変化にも言及したのが『統計革命』特集号であった。このように,基本的な現状の展望と可能な処方箋の案を示し,「心理学の明日はどっちだ」と問いかけてきたことになる。 では次は何か。実践あるのみである。心理学研究の品質を継続的に改善するためには,それが成功しようが失敗しようが,PDCA サイクルを回す必要がある。そこで本特集号では,心理学の明日に向けた「新しいかたち」の典型例として,国際的には実践が進みつつある一方で日本の学術誌ではまだ前例のない,研究計画の「事前登録と事前審査」方式を私たちの手で実践し,その顛末をまとめ,評価するという企画を立案した。

(巻頭言より引用;三浦・友永・原田・山田・竹澤,2019,p.197)

巻頭言のPDFはこちらから見ることができます。